この度は北海道まで足を運んでくださりありがとうございます。 北海道、今まさに紅葉シーズンですのでドライブにはもってこいです!この業界どっちを向いてもどこに行っても厳しい現状ですが、少しでも楽しんでもらえると幸いです。
高橋牧場は鹿追町にあります。鹿追町は北海道にあります。
鹿追町は牛にとっても人にとっても最高です。牛でいえばTMRセンターやコントラもあり気候も最適です。人でいえば温泉があるし食べ物もおいしいです。まぁ隣町もだいたい同じようなものですが
高橋牧場と鹿追町TMRセンターの位置です。センターは第一と第二があり高橋牧場は第一から配送してもらっています。
ついでにお昼ご飯の候補もプロットしました。ダールやとん田も行ってみたいのですが時間的に考えると高速に乗り音更帯広ICで降りてもらって士幌の道の駅か大木ファームですましてもらうのが良いかもしれません。どちらもその日は空いていそうです。
スクロール出来るよ!
高橋牧場を一言で言ったら自分が20代ならここで働きたかった!様な牧場です。
代表取締役:高橋宏輔
年間乳量:11925kg
総頭数:266頭
牛舎周辺の草刈りから牛舎内の糞だしなど細部にわたり徹底した環境整備に努められているおかげで、人にとっても牛にとっても心地よいです。
少し広いので歩くのは疲れるかもです。
高橋牧場
搾乳ロボットは2015年に完成しました。 VMSあたりの乳量や搾乳回数は専務(高橋信夫氏)に聞かれるかDelproを覗いてみてください。
牛舎の設計図
3つ目のゲートを増設
バンクスペースや水槽のスペース
マネジメント
牛を中型に改良しているおかげもあるのか今のところ大丈夫そうです。水はけや風通しも良くストールや通路がとても乾燥しているのが特徴です。
ストールサイズ
ちょうど完成しました。
今までの乾乳舎も良かったのですが、なんせスペースが足りませんでした。過密を避けるためもあり乾乳一群管理で乾乳期を短縮する作戦をとりました。そしたらやはりロボ牛舎はいっぱいになりやすく低乳量の牛が足を引っ張る機会も増える傾向にありました。そこで新設に至ったわけですが、このご時世絶対に有効活用しなければなりません。
新乾乳舎とても良いのですが、餌場の換気扇の位置を間違えてしまいました。
哺育と和牛の素牛を入れる予定です。和牛は敏感で連スタにはしない方が良いと教えて頂いたのでネックレールを選択しました。月齢や体格に合わせてネックレールの位置を細かく変えれるようにし上から飛び出ないように二本設置しました。ホルと違い和牛は育成時も獣医さんに見せたり何かと捕獲する機会も多いです。鬼ごっこをするしかないですね!
和牛育成のえさ場への距離と餌の巻き込みも気になります。
全農家共通の課題である哺育ハッチ掃除の簡素化を試みたのですが、やはり建物を建てるという一大事業は伊達ではないことを再確認させられました。
哺育舎の換気システムはウィスコンシン大学PPTCのスプレッドシートに基づいて設計したオーソドックスな陽圧換気を取り入れました。最近ではより複雑な陽圧換気システムやシーリングファンの様なものもあるようですが、規模とコストを考えて従来のものを選択しました。
チューブに関してはアメリカのFarmTech社から穴をあけてもらい輸入しました。PPTCのスプレッドシートを送ったらそれに従って作ってくれましたが、担当のセールスが控えめに言ってポンコツだった為(いい奴ではある)、円高を見越したはずが円安へ移行してからの購入になってしまいました。チューブに関しては国内で調達可能でしbたらそちらでも良いかもしれません。
吸気用換気扇
排気用換気扇に関しては3つ付けました。温度センサーがついており自動調整可能です。最大で空気を1時間当たり51.4回転するように設計しています。注意点としては牛舎を締め切ってから換気扇を最大にすると空気が薄くなってしまう可能性があるということです。
排気用換気扇
経産牛の妊娠率25%、発情発見率54%、妊娠喪失率9.5%と約5年間は20%以上をキープしています。余りにも数値を負いすぎると人も疲弊してしまうのでこのくらいの数値を維持出来たらと考えています。未経産の妊娠率32%、発情発見率63%、妊娠喪失率2.6%。
経産牛に初回授精から和牛ETを2回ほど挑戦しF1の授精に切り替えるようにし全体の79%は和牛ETを移植86.3%が和牛ETで受胎しています。未経産のホル判別授精のみで後継牛を確保しています(経産+未経産でホル♀約15%、F1+和牛ET約85%で受胎しています。)。海外大学サイトやDC305の後継牛予測を参考にしていますが、今の高橋さんの後継牛は推奨値を下回っていますそれでも余裕どころかあふれてしうのはなかなか牛が死なないからだと思います。弊害としたら遺伝改良スピードが遅いことでしょうか。
経産牛の受胎率は49%で移植の受胎率は55%。未経産の受胎率は53%。受胎率でいえば未経産をもう少し伸ばしたいです。後、一年前からOPU凍結卵を移植していますが体内卵と同等かそれ以上の感触がありますまだきちんと集計していませんが今のところ絶好調です!
ホル精液の選別は、ロボ向きで中型の牛・健康係数の高い牛を選んでいるつもりです。最近は、614H14587(HARLOW)や507H14436(BIG DOLLARS)を飼養しています。お勧めの種があれば教えて下さい!
経産妊娠率
未経産妊娠率
経産受胎率
未経産受胎率
受胎している精液ではなく父親を調べたということです。
未経産と経産
頭数予測
014HO14587
007HO14436
ここ一年間の分娩後疾病発生率は四変3%、乳熱2%、後停3%。 四変はここ4年間くらい1~2%でしたが最近は3%。乳熱も1%以下でしたが2%。逆に後停は年々減少傾向。
いずれにしても良好です。
分娩後疾病発生割合
哺育と育成に関しては0頭 経産もネガティブな理由での淘汰は少ないと思います。
死廃
社長が責任者です。乾乳の餌を与えるタイミングを工夫したりしていますが、夜中に産んだりもします本当に頭が下がります。余りにも数値にこだわりすぎてしまうと人にも負担ですので、5%を下回っていればOkと伝えてあります。あまり数値は気にしていません、あまり数値はw
死産率
初産と2産目はなんと0頭!!
産次ごと死産率
ここ4年間くらい平均初産分娩月齢は22か月齢をキープしています。最初のころは初産分娩時体重が足りなかったのか、分娩後の子宮炎やケトーシス発症も少し見られましたが最近ではそういう牛もほとんど見られなくなりました。
体重を測るのが一番良いのですが、初乳量・繁殖成績・検定乳量・死産率を見る限り初産分娩月齢の影響は少なそうです。哺育・育成の管理が素晴らしいからだと思います。
初産分娩月齢ごと死産率
初産分娩月齢ごと乳検成績
初産分娩月齢ごと繁殖成績
継続して頭数を確保中です。搾られた時間は考慮していませんが初産にしては初乳量が多い感じがします。
初産分娩月齢ごと初乳量
餌は鹿追町のTMRセンターから供給されています。パック詰めの配送です。センターのサイレージは発酵品質も良く安定していますが高橋牧場がロボットなので微調整するのが難しく中々ロボットに合う理想通りの設計が出来ていないのが現状です。後、北海道あるあるでグラスの品質に大きく左右されます。
乳飼比:43.5% IOFC:2102¥ エサ代は言うまでもなく高くなっています。しばらくは個体販売頼みです。
*今は、生パルプが入ってメニューが変わっています。
飼料 | 給与量 |
---|---|
ND20M | 3.5 |
コーングルテンフィード | 3.3 |
大豆粕 | 0.5 |
圧ペンコーン | 0.3 |
ふすまP | 1.2 |
BPP(道産) | 1.7 |
DTミックス | 0.02 |
タンカル | 0.35 |
CS | 23 |
チモシー1番 | 2 |
チモシー2番 | 12.5 |
項目 | ベースTMR |
---|---|
設定乳量 | 28kg |
DMI(設定値) | 19.4kg |
ME充足 | 89% |
MP充足 | 96.3% |
ME予測乳量 | 23kg |
MP予測乳量 | 26kg |
CP | 15.6% |
RUP%MP | 46% |
Rumen NH3(%rqd) | 148.3% |
forageNDF(%BW) | 0.62% |
peNDF | 24% |
aNDFom | 36.3% |
NFC | 36% |
starch | 22.1% |
sugar | 4.8% |
fat | 4% |
RUFAL | 364.3g |
Ca | 0.96% |
P | 0.57% |
MG | 0.25% |
K | 1.5% |
DCAD(meq/mg) | 22.8 |
飼料 | 給与量 |
---|---|
ベースTMR(設定乳量28kg) | |
ファイン18(AMS) | 初産上限3kg 経産上限6kg |
オーツヘイ | 500g |
パルミチン酸 | 400g |
ブドウ糖 | 1kg |
メプロン | 22g |
アジプロ | ー |
ビタミン剤 | ー |
項目 | 経産ロボ(AMSでの配合平均3kg) | 配合6kg給与時 | 初産(3kg) |
---|---|---|---|
設定乳量 | 36.5kg | 48kg | 33kg |
DMI(設定値) | 24kg | 27kg | 23kg |
ME充足 | 99.3% | 100.2% | 103.4% |
MP充足 | 100.9% | 100.4% | 106.3% |
ME予測乳量 | 36.14kg | 48.13kg | 34.66kg |
MP予測乳量 | 37.01kg | 48.29kg | 36.33kg |
CP | 15.2% | 15.7% | 15.1% |
RUP%MP | 47.7% | 50.9% | 48.1% |
Rumen NH3(%rqd) | 130.5% | 134.6% | 12.9% |
forageNDF(%BW) | 0.65% | 0.66% | 0.67% |
peNDF | 21.15% | 19.8% | 21% |
aNDFom | 32.3% | 30.8% | 32.1% |
NFC | 39.5% | 40.5% | 39.66% |
starch | 22.7% | 24.5% | 22.7% |
sugar | 9% | 8.6% | 9.2% |
fat | 5.5% | 5.5% | 5.6% |
RUFAL | 479.4g | 589.6g | 460.7g |
Ca | 0.9% | 0.93% | 0.9% |
P | 0.54% | 0.55% | 0.54% |
MG | 0.24% | 0.24% | 0.24% |
K | 1.36% | 1.32% | 1.35% |
DCAD(meq/mg) | 18.2 | 17 | 18 |
飼料 | 給与量 |
---|---|
泌乳TMR | 42kg |
ファイン18 | ー |
オーツヘイ | 0.5kg |
メプロン | 17g |
アジプロ | ー |
ヒートドライ | 50g |
バイオプレックス | ー |
リーシュア | 60g |
項目 | フレッシュ(繋ぎ) |
---|---|
設定乳量 | 20kg |
DMI(設定値) | 20kg |
ME充足 | 110.6% |
MP充足 | 107.2% |
ME予測乳量 | 24.27kg |
MP予測乳量 | 23.22kg |
CP | 15.3 |
RUP%MP | 45.8% |
Rumen NH3(%rqd) | 145% |
forageNDF(%BW) | 0.64% |
peNDF | 24.4% |
aNDFom | 36.4% |
NFC | 35.7% |
starch | 21.6% |
sugar | 5.2% |
fat | 4.2% |
RUFAL | 386.1g |
Ca | 0.95% |
P | 0.6% |
MG | 0.56% |
K | 1.5% |
DCAD(meq/mg) | 20.7 |
ロボットでの餌の調整が中々難しいので自然に飛び出し乳量を抑えられる乾乳日数を短縮した一群管理を採用しています。今のところしっくりきていますがコストがかかるというデメリットもあります。
飼料 | 給与量 |
---|---|
乾乳TMR | 5-10kg(10kgを超えないように) |
バミューダストロー | 飽食 |
ルミテクト | 1.5kg |
RMドライ | 2.0kg |
ヒートドライ | 50g |
メプロン | 5g |
アジプロ | ー |
硫酸カルシウム | 300g |
炭カル | ー |
リーシュア | 60g |
バイオプレックス | 10g |
項目 | 乾乳一群管理 |
---|---|
DMI(設定値) | 12.5kg |
ME充足 | 82.2% |
MP充足 | 110.6% |
MP | 1319g |
CP | 15.5% |
RUP%MP | 48.2% |
Rumen NH3(%rqd) | 134.7% |
forageNDF(%BW) | 0.68% |
peNDF | 37.5% |
aNDFom | 45.8% |
NFC | 26.4% |
starch | 11.9% |
sugar | 6.7% |
fat | 3% |
Met:ME | 1.15 |
Lys:ME | 3.27 |
Ca | 0.89% |
P | 0.38% |
MG | 0.42% |
K | 1.83% |
s | 0.75% |
cl | 0.45% |
Se | 0.07ppm |
Vit.E | 3013IU |
DCAD(meq/mg) | -7.3 |
飼料 | 離乳~ | 4-6月齢 | 7-9月齢 | 10-受胎 | 受胎-20月齢 | 分娩1月前 |
---|---|---|---|---|---|---|
配合 | 0.5kg+1.0kg | 1.5kg | 1.5kg | 1.5kg | 1.0kg | 4.5kg |
ルミテクト | 100g | 200g | 200g | ー | ー | 1.0kg |
泌乳TMR | 4.0kg | 5.0kg | 5.0kg | 5.0kg | ー | ー |
2番ラップ | 0.5kg | 飽食 | 飽食 | 飽食 | 飽食 | 飽食 |
乾乳TMR | ー | ー | ー | ー | 10kg | 10kg |
バミューダストロー | ー | ー | ー | ー | ー | ー |
ヒートドライ | ー | ー | ー | ー | ー | 50g |
ビタミン剤 | 3g | 3g | 3g | 5g | ー | ー |
項目 | 離乳~ | 4-6 | 7-9 | 10-受胎 | 受胎-20 | 分娩1ヶ月前 |
---|---|---|---|---|---|---|
目標ADG | 0.8kg | 0.9kg | 0.88kg | 0.75kg | 0.71kg | 0.64kg |
DMI(設定値) | 3.5kg | 4.8kg | 6.4kg | 8kg | 10.7kg | 12.2kg |
ME充足 | 106.0% | 94% | 86.7% | 87.6% | 85.1% | 91.1% |
MP充足 | 98.5% | 109.6% | 114.9% | 117.1% | 111.9% | 130.9% |
MP | 389.5 | 525.8g | 635.9g | 704.5g | 827.4g | 1306.8g |
CP | 18.6% | 19.7% | 19.8% | 19% | 18% | 20.7% |
RUP%MP | 51.8% | 52.1% | 48.5% | 41.4% | 39.1% | 53% |
forageNDF(%BW) | 0.49% | 0.65% | 0.81% | 0.88% | 1.13% | 0.68% |
peNDF | 21.7% | 27.27% | 35% | 40.55% | 48.6% | 32.8% |
aNDFom | 33.8% | 37% | 43% | 47% | 53.5% | 40.6% |
NFC | 35.9% | 31.4% | 25.2% | 21.8% | 16.4% | 26.5% |
starch | 23.8% | 21% | 16% | 13.5% | 7.8% | 17.3% |
sugar | 5.7% | 5.4% | 5.2% | 4.8% | 5.1% | 5.6% |
fat | 3.5% | 3.2% | 2.9% | 3% | 2.9% | 3.7% |
Ca | 0.97% | 0.93% | 0.79% | 0.65% | 0.44% | 0.6% |
P | 0.56% | 0.55% | 0.5% | 0.47% | 0.39% | 0.48% |
MG | 0.26% | 0.25% | 0.23% | 0.22% | 0.2% | 0.42% |
K | 1.64% | 1.93% | 2.33% | 2.56% | 2.8% | 2.15% |
DCAD(meq/mg) | 23.8 | 29.8 | 39.3 | 45.7 | 48 | 29.7 |
子牛の管理に関してはお母さまと社員さんの管理が素晴らしすぎます。子牛が廃用になったのを見た事が無いですね。 ここ5年間で和牛1頭、F11頭、ホル♀1頭(腸管閉鎖)くらいだったと思います。
粉ミルクは、ぽて牛ミルク
ミルク給与量
今年の夏から秋にかけてはおそらく過去一の乳房炎の多さと体細胞数の高さを経験しました。夏は乾物摂取量も落ちた感じですね。天候の悪さ・餌・分娩による過密が原因だったのかなと感じています。
しかしながら普段はとても安定しています。
乳房炎の発生状況とVMSの設定に関しては、専務が詳しいです。
削蹄は年四回行っておりますが毎回蹄病率は20%以下なので3回でも良い気がしています。削蹄師は上村氏です。
個別での蹄病治療も極端に少ないです。