尿中抗体測定キットウリネリザとラピランの比較

王 超辰  愛知医科大学 公衆衛生学講座

Background & Objective

  • H.pylori 感染の診断法としては,

    • 胃粘膜生検組織を用いる培養法
    • 検鏡法
    • 尿素呼気試験(UBT)
    • 抗体測定(尿・血清) などなどがある.
  • 尿抗体測定:
    ウリネリザ(ELISA)法(右図上)
    ラピラン(イムノクロマト)法(右図下)
    の比較が必要

Methods: Subjects & Analysis

  • 篠山市にある中学の1−3年生約1,200名に依頼し,尿・血清抗体測定に合意を得た187名(男性104名;女性83名)を対象者とした.
  • すべての対象者に対して,尿,血清を採取し,ウリネリザ・ラピラン・Eプレートの測定を行った
  • 陽性判定方法:
    • ウリネリザ
      吸光度の測定値が1.00 以上
    • ラピラン
      独立した実施者3名により判定
    • Eプレート
      < 3 陰性; 3-9 陰性高値; >10 陽性
  • 統計解析
    • Eプレートの判定結果を基準とする
    • ウリネリザ及びラピラン測定法の感度・特異度,陽性・陰性反応的中率の計算
    • ウリネリザ法及びラピラン法の3名の判定結果のROC曲線比較

Results(1)

ウリネリザ測定結果
Positive Negative Grey
Test+ 8 1 0
Test- 3 168 7

ラピランOさん判定結果
Positive Negative Grey
Test+ 7 0 2
Test- 4 169 5

ラピランMさんの判定結果
Positive Negative Grey
Test+ 7 0 1
Test- 4 169 6

ラピランKさん判定結果
Positive Negative Grey
Test+ 6 0 0
Test- 5 169 7

Results(2)

感度・特異度・陽性陰性的中率・陽性陰性尤度比

感度 特異度 陽性的中率 陰性的中率 陽性尤度比 陰性尤度比
ウリネリザ 0.73 0.99 0.89 0.98 122.91 0.27
ラピランO 0.64 1.00 1.00 0.98 Inf 0.36
ラピランM 0.64 1.00 1.00 0.98 Inf 0.36
ラピランK 0.55 1.00 1.00 0.97 Inf 0.45

Eプレートの測定結果が陰性高値の対象者を除外した(n = 7)

Results(3) ROC Curve

plot of chunk unnamed-chunk-5

  • 判定者OさんとMさんはラピラン法の開発者

  • Kさんは一般の開業医

Discussion & Conclusion

  • 尿抗体測定法として,ウリネリザ法のAUCが最も大きい
  • サンプルサイズ(陽性例数)が小さいため,信頼区間は広い
95% CI: 0.6953-0.9989 (2000 stratified bootstrap replicates)
  • ラピラン法はプロの方により判定すれば,ウリネリザ法とは近似な結果が得られるが,現場の開業医にりょる場合,判定結果のばらつきは否定できない.
  • 中学生の H.pylori 感染のスクリーニングにはウリネリザ法がより精確・安定性の高い結果が得られると示唆される