専門的準備期ミーティング

本日の内容


はじめに

最初の試合まであと

25日(3週間+4日)

今、何を課題として練習していますか?

  • 答えられる → Good。継続してやりましょう!
  • 答えられない → 今日の話を聞いて自分の課題を明確にしましょう!

今後のトレーニングの流れと試合予定

今シーズンの流れ

時期 イベント 内容
近々 タイムトライアル 現状把握
3月末 チャレンジ 課題チェック
4月 九州インカレ選考 昨年の成績を上回る結果を出せる選手
5月 チャレンジ / 九州インカレ 勝負重視
6月 チャレンジ / 日本選手権 / 西日本インカレ
7月 チャレンジ / 夏インカレ
8月 チャレンジ / 福岡県夏季記録会 / 九州選手権
9月 日本インカレ / 九州CS / 日本選手権リレー
10月 国体 / チャレンジ(300m)

目の前の試合に向けて準備を進めていくことが大事

「今回棄権しても”次”があるから…」という人には

  • “次”は来ない。来るのは変わってない自分。

それが繰り返しになると…

  • 限られた「時間」を無駄にする
  • 限られた「チャンス(機会)」を失う

大切なこと

  • 自分で決めた試合で結果(良くも、悪くも)を残すことは、“次”に進むために大事なこと
  • 右足を踏み出さないことには左足は踏み出せない

どうしても棄権しなければならないときは

  • 準備不足を認識する
  • 準備期間の行動を改める

スプリント種目のパフォーマンス構造

100m

局面 区間 技術 ポイント
加速局面(1次) スタート〜20m クラウチングスタート技術 推進方向に跳び出すための構え(パワーポジション)
加速局面(2次) 20m〜40m 加速技術 前傾姿勢を維持するためのプレス動作
最大スピード局面 40m〜60m 中間走技術 プッシュ(パウィング)動作
速度維持/減速局面 60m〜100m 速度維持技術 バランスの維持

200m

局面 区間 技術
加速局面 スタート〜60m クラウチングスタート技術、加速技術
最大スピード局面 60m〜100m 中間走技術
速度維持局面 100m〜140m コーナーリング技術
減速局面 140m〜200m 速度維持技術

400m

局面 区間 技術 ポイント
加速局面 スタート〜120m クラウチングスタート、加速、ペース配分 相対値が高いほどタイム遅い
最大スピード局面 120m〜200m 中間走(慣性走)技術 少ない歩数で楽に走る
速度維持局面 200m〜300m 速度維持技術 目標タイムの平均ペースで走ることが重要
減速局面 300m〜400m 速度維持技術 250m〜350mのスピードが高いとき400mタイムが速い

110mH

局面 区間 技術 ポイント
加速局面 アプローチ〜4台目 アプローチ技術、ハードリング技術 リズム
最大スピード局面 4〜7台目 ハードリング技術 減速しないこと、踏切・着地動作
速度維持局面 8台目〜ゴール ハードリング技術、ランイン

400mH

局面 区間 技術 ポイント
加速局面 アプローチ〜2台目 クラウチングスタート、アプローチ 減速しない
最大スピード局面 3〜5台目 ハードリング技術、インターバル技術 大きなストライド
速度維持局面 6〜8台目 逆足踏切、歩数調整 ピッチ・ストライド維持
減速局面 9台目〜ゴール 歩数調整、ピッチ維持

専門的準備期の練習内容

最重要ポイント

どの局面の練習なのか(局面意識)?どの技術を習得したいのか(技術意識)?をもつこと!


スプリント/ハードル共通

スプリント基礎

スプリント能力の基本的な考え方 - 短い時間に大きな力を地面に加える能力

共通するポイント 1. 正しい動作で行うこと 2. 大きな力を発揮すること(大きな動作) 3. 速く動かす

共通するキーワード - 軸、姿勢、接地、反発、意識、切り返し、シザース、引き上げ、踏みつけ、リズム

ドリル

種目 ポイント
腕立て脚切返し 前脚はフラット接地、重心を上下動させる
片手付きスタート パワーポジションの確認、股関節からのパワー発揮
ストレートレッグ 重心よりも前でシザース動作、リバンドジャンプのような接地
スキップ キック後の脚の素早い引きつけ、重心の上下動をなくす
ハードルジャンプ 上半身のポジション、全身の引き締め
バウンディング 接地脚のパワーポジション、スイング脚のタイミング

スプリント技術

クラウチングスタート技術(SD練習)

考え方 - 症状が現れているところよりも前の段階に問題がある - 例1)2次加速がのらない → 1次加速に問題がある - 例2)1次加速で加速している感じがない → ブロッククリアランスに問題がある - 例3)ブロックを押せない → 構え方に問題がある

ポイント 1. 動き(過程)があってのタイム(結果)であることを重視 2. 主観的な感覚とタイムをすり合わせる(再現性を高める=0.1秒単位)

加速技術

練習 ポイント
スティック走(加速系) 垂直方向への力を大きくする、ストライド>ピッチ
牽引走 力発揮が弱いときは重め、実際の姿勢に近づけたいときは軽め
アップヒル走 力発揮が弱いときは急傾斜、姿勢を近づけたいときは緩傾斜

中間走技術

練習 ポイント
スティック走(中間走系) 最大スピード付近まで上げてから、最大ピッチで通過
牽引走(トーイング)
ダウンヒル走

速度維持技術/ペース配分技術

テンポ走 - 距離:150m〜500m - 本数:3〜5本 - 強度:85〜90% - ポイント:ピッチ・ストライドを維持すること、ペース表を活用する

ウェーブ走 - 加速→リラックス→加速→リラックスを繰り返す - スピードは大きく変化しないが、ピッチ・ストライド関係を変化させる


スピード強化

加速走(flying sprint)

実施方法 - 距離:(30m+)30m、(20m+)40m、(20m+)100m、(10m+)100m - 本数:2〜6本 - 休息:7〜15分

ポイント 1. どの地点でトップスピードを出現させるかを決める 2. 出現させたトップスピードを維持する時間(距離)を長くする 3. キレがない場合は原因をはっきりさせる

キレがない場合の原因 - 外的要因:寒い、練習の雰囲気 - 内的要因:アップ不足、疲労困憊、スプリント動作の問題、素早い動きができない


スピード持久力強化

ショートスプリントの場合

レペティション - 距離:100m、150m、200m、250m、300m - 本数:2〜4set - 強度:90-98% - 回復:7〜20分

往復走 - 距離:60m〜80m - 本数:3〜5rep × 2〜5set - 強度:95〜98% - ポイント:最初の20mのパワー発揮を維持、後半の40mの動作を丁寧に

ロングスプリントの場合

インターバル走 - 例:200m×3〜4rep×3set - ポイント:乳酸が出るまで追い込む、局面意識を持つ

分割走 - 300m+100m - 250m+150m - 200m+200m(3セットの平均値が現在の400mタイムを表す) - 150m+250m - 150m+150m+150m+100m - 200m+200m+200m


ハードル個別

ハードリング技術の共通ポイント

  • 踏切・着地で減速しないこと
  • 踏み切りはハードルから遠く、着地はハードルの近く
  • 親指で押す、姿勢の維持、腰の入れ替え、両脚の挟み込み

ハードル練習

練習 内容 ポイント
ミニハードル 4〜5台、インターバル7.8m(男)/7.3m(女)、3歩 前捌きで刻む
ミドルハードル3歩/5歩走 4〜5台、8.7m/11m(男)・10m(女) 着地後の抜き脚を出す動作を強調
ハイハードル5歩走 4〜5台、11m ハイハードルの高さに慣れる
ジュニアハードル3歩走 4台、8.7m 速い動きで技術を確認

補足:女子の体重管理について

結論

目的:怪我をしない身体を作ること(体重を減らすことではない)

ポイント

  • 継続したトレーニングが大事
  • 試合期にもトレーニング量を確保する
  • 体重(体脂肪率)を定期的(週1程度)に計測する

研究結果(古屋敷・大西, 2022)

  • 九州インカレ決勝に残るレベルの選手はシーズン中、徐々に体脂肪量が減っている
  • 上位群の体脂肪率は年間を通じて平均17%以下
  • 上位群の骨格筋量はシーズン中、徐々に増える

つまり…

  • 継続してトレーニングが積めている状態を作る
  • トレーニング+栄養+休養のサイクルを上手く維持する
  • 筋肉をつくる栄養素を積極的に摂取する(グリコーゲン、タンパク質)
  • 食事を抜くこと(栄養を取らないこと)が一番危ない

名言

「トップが速くなればいいと言うことではない。怪我人が出ないチームが強くなる。」


まとめ

  1. 試合までを逆算して考えること(今から始めるしかない)
  2. 前半シーズンの大きな目標は九州インカレでチームとして結果を残すこと
  3. 個人的な目標設定を行うこと
  4. どの局面の練習なのか(局面意識)?どの技術を習得したいのか(技術意識)?をもつこと