中級統計学:復習テスト22
すべての質問に解答しなければ提出とは認めない.正答に修正した上で,復習テスト 21〜26 を順に重ねて左上でホチキス止めし,定期試験実施日(1月27日の予定)に提出すること.
- \mathrm{N}\left(\mu,\sigma^2\right) から抽出した大きさ n の無作為標本の標本平均を \bar{X} とする.次の片側検定問題を考える.
H_0:\mu=c \quad \text{vs} \quad H_1:\mu>c
有意水準を 5%とする.
検定統計量を与えなさい.
検定統計量の H_0 の下での分布を与えなさい.
n=10 として検定の棄却域を定めなさい.
検定統計量の値が 2.0 なら検定結果はどうなるか?
- \bar{X} の標本分布は
\bar{X} \sim \mathrm{N}\left(\mu,\frac{\sigma^2}{n}\right)
標準化すると
\frac{\bar{X}-\mu}{\sqrt{\sigma^2/n}} \sim \mathrm{N}(0,1)
\sigma^2 を s^2 に置き換えると
\frac{\bar{X}-\mu}{\sqrt{s^2/n}} \sim \mathrm{t}(n-1)
H_0:\mu=c を代入すると,検定統計量は
t:=\frac{\bar{X}-c}{\sqrt{s^2/n}}
- H_0 の下で
t \sim \mathrm{t}(n-1)
- t 分布表より H_0 の下で
\Pr[t \ge 1.833]=0.05
したがって棄却域は [1.833,\infty).
- 2.0 は棄却域 [1.833,\infty) に入るので H_0 を棄却して H_1 を採択.
- \mathrm{N}\left(\mu_X,\sigma_X^2\right),\mathrm{N}\left(\mu_Y,\sigma_Y^2\right) から独立に抽出した大きさ m,n の無作為標本の標本分散を s_X^2,s_Y^2 とする.次の片側検定問題を考える.
H_0:\sigma_X^2=\sigma_Y^2 \quad \text{vs} \quad H_1:\sigma_X^2>\sigma_Y^2
有意水準を 5%とする.
検定統計量を与えなさい.
検定統計量の H_0 の下での分布を与えなさい.
m=4,n=6 として検定の棄却域を定めなさい.
検定統計量の値が 2.0 なら検定結果はどうなるか?
p 値が 0.1 なら検定結果はどうなるか?
- s_X^2,s_Y^2 の標本分布は
\begin{align*} \frac{(m-1)s_X^2}{\sigma_X^2} & \sim \chi^2(m-1) \\ \frac{(n-1)s_Y^2}{\sigma_Y^2} & \sim \chi^2(n-1) \end{align*}
両者は独立だから
\frac{s_X^2/\sigma_X^2}{s_Y^2/\sigma_Y^2} \sim \mathrm{F}(m-1,n-1)
すなわち
\frac{s_X^2/s_Y^2}{\sigma_X^2/\sigma_Y^2} \sim \mathrm{F}(m-1,n-1)
H_0:\sigma_X^2=\sigma_Y^2 を代入すると,検定統計量は
F:=\frac{s_X^2}{s_Y^2}
- H_0 の下で
F \sim \mathrm{F}(m-1,n-1)
- F 分布表より H_0 の下で
\Pr[F \ge 5.409]=0.05
したがって棄却域は [5.409,\infty).
2.0 は採択域 (-\infty,5.409) に入るので H_0 を採択.
p 値>有意水準より H_0 を採択.