ピアソンの相関係数 (\(r\)) と \(p\)-値は密接に関連していますが、それぞれが示す意味は異なります。以下で関係性と評価方法について詳しく説明します。
\(r = 0.4\) 相関係数が0.4は、弱い~中程度の正の相関があることを示します(解釈は文脈に依存)。
\(p = 0.8\) \(p\)-値が0.8は、帰無仮説を棄却できないことを意味します。つまり、この相関が偶然に生じた可能性が高い(80%)と考えられます。
評価まとめ \(r\) の値だけを見れば弱い相関がありそうですが、\(p\)-値が高いため、その相関は統計的に有意ではないと評価されます。したがって、この結果をもとに確実な結論を出すのは難しいです。
\(p\)-値が高くなる理由には次のような要因があります: - サンプルサイズが小さい 小さいデータセットでは、検定の信頼性が低下し、有意な結果を得るのが難しくなります。
サンプルサイズを増やす サンプルサイズを増やすことで、統計的検出力(パワー)が向上します。
非線形関係を確認する ピアソン相関係数は線形関係しか検出できません。スキャタープロットやスピアマンの順位相関係数を用いて、非線形の関係が存在するかを確認してください。
文脈に依存した解釈 相関の大きさ (\(r\)) が意味する内容は、データや研究分野に依存します。たとえば、社会科学では \(r = 0.4\) が意味のある結果とみなされることがあります。
結論として、\(r = 0.4\) でも \(p = 0.8\) の場合は統計的に有意ではないため、相関の解釈に慎重になる必要があります。サンプルサイズや他の要因を確認しつつ、追加の検証を行うことをお勧めします。
はい、スピアマンの順位相関係数にも \(p\)-値が関係します。スピアマン順位相関係数を計算するときも、統計的検定を行い、その相関が偶然生じたものかどうかを評価するために \(p\)-値が用いられます。
以下に詳しく説明します。
例えば: - \(\rho = 0.5\), \(p = 0.03\): - \(\rho\) が0.5なら、中程度の単調関係があります。 - \(p = 0.03\) なので、統計的に有意です(通常の有意水準で帰無仮説を棄却)。
サンプルサイズ 小さいサンプルでは \(p\)-値が大きくなる可能性があります。
順位のばらつき 変数間の関係が明確でない場合、\(\rho\) が大きくても \(p\)-値は有意にならないことがあります。
スピアマンの順位相関係数でも \(p\)-値を計算して、相関の統計的有意性を判断します。 スピアマンは、非線形な単調関係がある場合やデータに外れ値が含まれる場合に特に有用です。ただし、相関係数 \(\rho\) の大きさだけでなく、\(p\)-値を併せて解釈することが重要です。