中級統計学:復習テスト19
注意
すべての質問に解答しなければ提出とは認めない.正答に修正した上で,復習テスト14〜20を順に重ねて左上でホチキス止めし,第3回中間試験実施日(12月12日の予定)に提出すること.
- 以下の用語の定義を式または言葉で書きなさい(各20字程度).
不偏推定量
最小分散不偏推定量
一致推定量
漸近分布
漸近分散
漸近正規推定量
漸近有効推定量
解答例
期待値が母数と等しい推定量
不偏推定量の中で分散が最小の推定量
母数に確率収束する推定量
大標本における推定量の近似的な分布
漸近分布の分散
漸近分布が正規分布である推定量
漸近正規推定量の中で漸近分散が最小となる推定量
- 平均 \mu,分散 \sigma^2 の母集団分布から抽出した大きさ n の無作為標本の標本平均を \bar{X}_n とする.
\bar{X}_n が \mu の不偏推定量であることを示しなさい.
\bar{X}_n が \mu の一致推定量であることを示しなさい(ヒント:大数の法則).
\bar{X}_n が \mu の漸近正規推定量であることを示しなさい(ヒント:中心極限定理).
\bar{X}_n の漸近分散を求めなさい.
解答例
- 期待値の線形性より
\begin{align*} \operatorname{E}\left(\bar{X}_n\right) & =\operatorname{E}\left(\frac{X_1+\dots+X_n}{n}\right) \\ & =\frac{\operatorname{E}(X_1)+\dots+\operatorname{E}(X_n)}{n} \\ & =\frac{\mu+\dots+\mu}{n} \\ & =\mu \end{align*}
- (チェビシェフの)大数の弱法則より
\plim_{n \to \infty}\bar{X}_n=\mu
- (リンドバーグ=レヴィの)中心極限定理より
\bar{X}_n \stackrel{a}{\sim}\mathrm{N}\left(\mu,\frac{\sigma^2}{n}\right)
- 前問より漸近分散は \sigma^2/n.