R課題 ポワソン回帰
田中 鮎夢
2025-06-10
This version: 2025-06-22
1 はじめに
- 国際経済学で頻繁に使われる重力方程式の固定効果モデル推定には、輸出国固定効果、輸入国固定効果、年固定効果、またそれらの交差項といった大量の固定効果が必要になる。
- 計算時間を短縮化するために開発されたfixestパッケージが必要になる。
- 各自でRマークダウンを作成し、以下のRコードを実行して、結果を再現し、knitして生成されるWordファイルを提出すること。
2 Rマークダウンファイルの生成は以下の通り。
2.1 Step 1
2.2 Step 2
Titleは、R10などのように、適当な番号を入れること。
2.3 Step 3
2.4 Step 4
保存するファイルの名前は、R10などのように、適当な番号を入れること。
3 貿易データ
- 貿易に対する地理的距離の負の効果を見つけるために、重力モデルを推定する。
- サンプル・データは、Eurostat から抽出した欧州の貿易データ。
まず、パッケージを読み込む。
library(fixest)- 以下はイメージである。
次に、サンプルデータを読み込む。
data(trade)
このデータは2007年から2016年までのEU15カ国間の二国間輸入のサンプルである。データはさらに20の製品カテゴリーに分類されている。
以下でデータのサンプルを表示する。
head(trade)## Destination Origin Product Year dist_km Euros
## 1 LU BE 1 2007 139.5719 2966697
## 2 BE LU 1 2007 139.5719 6755030
## 3 LU BE 2 2007 139.5719 57078782
## 4 BE LU 2 2007 139.5719 7117406
## 5 LU BE 3 2007 139.5719 17379821
## 6 BE LU 3 2007 139.5719 26222544 ポワソン回帰
ポアソンを使用する場合、右辺はポアソン・パラメータの負の値を避けるために指数化される。推定する重力モデルは以下のようになる：
\[ E\left(\text { Trade }_{i, j, p, t}\right)=\exp \left(\gamma_{i}^{\text {Exporter }}+\gamma_{j}^{\text {Importer }}+\gamma_{p}^{\text {Product }}+\gamma_{t}^{\text {Year }}+\beta \times \ln \text { Distance }_{i j}\right) \]
- 従属変数は二国間の貿易水準
- 独立変数は二国間の地理的距離
- 4つの固定効果を使用する。
- 輸出国の固定効果
- 輸入国の固定効果
- 年の固定効果
- 製品の固定効果
ポアソン尤度を用いたこのモデルの推定は以下の通りである：
gravity_pois = fepois(Euros ~ log(dist_km) | Origin + Destination + Product + Year, data = trade, vcov = "hetero")vcov = "hetero"は、不均一分散を考慮した標準誤差を計算するためのオプションである。
etable関数を使用して、結果を表示することができる：
etable(gravity_pois)## gravity_pois
## Dependent Var.: Euros
##
## log(dist_km) -1.528*** (0.0219)
## Fixed-Effects: ------------------
## Origin Yes
## Destination Yes
## Product Yes
## Year Yes
## _______________ __________________
## S.E. type Heteroskedas.-rob.
## Observations 38,325
## Squared Cor. 0.61202
## Pseudo R2 0.76403
## BIC 1.4e+12
## ---
## Signif. codes: 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1