レジュメNO1：Introduction
2024-04-10
1 講義概要：経済データ分析２で何を学ぶか
本講義は，経済データ分析Ⅰの発展科目として，やや高度な実証分析手法を学び，経済分析に必要な能力を身につけることを目的とする。
具体的には，
- 各々の興味のある経済事象に関して，経済理論を計量経済学に基づき実証分析する
- 分析に必要なデータを実際に収集し，コンピュータによって分析すること
- 様々な講義で出てくる実証分析の結果を理解する能力を身につけること
を目的とします。
『経済データ分析Ⅰ』あるいは『経済分析入門』の二つの講義で扱った重回帰分析が出来ることを前提に講義を進めます。
2 講義内容
| 回 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | ガイダンス | 経済データ分析Ⅱの対象と学習方法の解説。PCの使用法学習。 |
| 2 | 重回帰分析の復習 | 経済データ分析Ⅰで学んだ重回帰分析の復習。 |
| 3 | 重回帰分析の復習 | 簡単な実証分析の実施。 |
| 4 | 計量ソフト（R）の解説 | Rの使用方法学習、重回帰分析の実施。 |
| 5 | 経済モデルと実証分析 | ヘドニックアプローチとその実証方法の学習。 |
| 6 | 経済モデルと実証分析 | ヘドニック関数の推計。 |
| 7 | データ加工（変数変換） | 変数変換やダミー変数の学習。 |
| 8 | データ加工（ダミー変数） | ヘドニックアプローチとその実証方法の検討。 |
| 9 | 実証結果の解釈 | 推計結果の解釈方法の学習。 |
| 10 | 重回帰分析の問題点 | 回帰分析の標準的仮定の問題点の学習。 |
| 11 | 検定と問題点の解消（不均一分散） | 不均一分散の検定と対処法の学習。 |
| 12 | 検定と問題点の解消（多重共線性） | 多重共線性の検定と対処法の学習。 |
| 13 | 検定と問題点の解消（内生性） | 内生性の検定と対処法の学習。 |
| 14 | 理解度の確認 | 応用分析のレポート作成、理解度の確認。 |
| 15 | まとめ | 講義で学んだ内容の確認と議論。 |
3 教科書・参考書
特定の教科書は使わずに，レジュメを用いて講義を行います。
計量経済学の参考書は数多くありますが，学部の『計量経済学』を履修してからにしましょう。
- 星野・田中・北川『Rによる実証分析（第2版）回帰分析から因果分析へ』オーム社
- 福地・伊藤『Rによる計量経済分析』朝倉書店
- 唐渡広志『４４の例題で学ぶ計量経済学』オーム社
4 参考URL
日本の公的統計は内閣府，総務省統計局，経済産業省，国交省など様々なところから出ています。また，金融関係は日本銀行や財務省からも出ています。以下のURLはブックマークしておくと便利です。
これらのサイトはポータルサイトが含まれます。データを扱うときはデータを集めている機関をかならずチェックしましょう。
- ＳＮＡ統計 <http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
- 総務省統計局（政府統計一般） <http://www.stat.go.jp/ 政府統計資料はここから探せます
- 総務省統計局 （地域データ) <https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview
- 財務省統計（税や輸出入関連） <https://www.mof.go.jp/statistics/
- 日銀統計（金融関係一般）<http://www.boj.or.jp/statistics/index.htm/ <http://www.stat-search.boj.or.jp/
- 国交省統計（地方インフラ等）<http://www.mlit.go.jp/statistics/details/index.html
- 都道府県別データでは「都道府県別統計とランキングで見る県民性」 <http://todo-ran.com/
- 関係ないがプロ野球のデータ <http://npb.jp/statistics/ <http://bis.npb.or.jp/yearly/
5 成績評価の方法
- 経済データ分析Ⅱは演習形式で行いますので，成績評価は以下の１通りのみです。追試・再試はしません。
- 毎回，実際のデータを用いた統計解析などの課題レポートや小テストを行い，レポート，小テストの得点率の平均が60％以上であれば合格。
- 例えば，得点率の平均が76％であれば，最終成績は76点（Ｂ）。
- 小テスト・レポートは後述のように講義中に提出してもらいます。
注）出席しただけでは点になりません。まじめに講義を聞いてレポートを提出しないとだめ。
- 例えば，90分話を聞かずに，名前だけ書いてレポートを出しても0点。
- また，公欠以外の欠席は０点。
6 注意事項
- 出席はとりません。毎回提出するレポートや小テストが最終成績に反映されるので，相談を許可していない時のカンニング等の不正行為は厳禁。不正行為をした場合，この科目の最終評価を不合格とします。
- 授業中に私語は厳禁，講師の入室後の入退室は健康上の問題等の場合，講師の許可がない場合を除き（外部不経済の内部化です）。私語をしたり，遅刻，早退をしたりすると，出席した場合よりも評価が低くなりますから，私語したい人は来ないように。
- 講義用レジュメはEcoLink，授業用サーバーや指定されたWEBからダウンロード・印刷して，各自で用意してください。こちらでは印刷・配布はしません。
7 履修条件：どの程度のパソコンノウハウと，数学，経済学を使うか？
- 『経済データ分析Ⅰ』を履修していることが望ましい。
- また，『ミクロ経済学Ⅰ』，『マクロ経済学Ⅰ』などで習ったことは使います。
- 例えば，ある財・サービスの需要がどのように決定するか分からないと講義について行けません。
- 復習しておきましょう。
- 数学は簡単な四則演算は使います。『金融公共分析手法入門Ⅰ』の単位が取れていれば『経済数学』などの知識までは必要ありません。
8 授業用ＰＣの使い方とデータの取り扱い方について（復習です）
8.1 データのダウンロードとレポート・課題のアップロード
『経済データ分析Ⅱ』では，レジュメを含めデータや問題などのダウンロード/アップロードにはEcolinkを用います。
Ecolink内のトップページから「Web Class」をクリックします。⇒時間割表から「経済データ分析Ⅱ」をクリックし⇒「資料」と「テスト/アンケート」があるのを確認。
今後，レジュメは全て「資料」にアップロードします。
使用するデータ等については，「資料」か「テスト/アンケート」にアップロードしておきます。
「資料」に『レジュメ1』，「テスト/アンケート」に『Rep2_01』が有ることを確認してください。
皆さんのパソコンのフォルダに『経済データ分析Ⅱ』というフォルダを作成する。
- この講義で使うデータ等はこの『経済データ分析Ⅱ』フォルダで管理する
8.2 レジュメ/提出課題・データの印刷・ダウンロード
資料コンテンツの該当レジュメのリンクをクリックすると，レジュメのページに飛びます。右上に「印刷アイコン」があるのでそれを押して自宅で印刷することが望ましいです。
レジュメは遅くとも授業の1日前にはアップロードします。印刷アイコンの横にある下向き矢印のアイコンを使えばダウンロードも可能です。
提出課題・データのダウンロード - 提出を求める課題については，WordファイルあるいはExcelファイル，その両方を「テスト/アンケート」コンテンツにアップロードします。
該当テスト(今回は「Rep2_01」)のリンクを押して，「開始」ボタンを押してください。
問１に回答用紙の「rep2_01.docx」
問２にデータファイルの「data2_01.xlsx」が添付されています
それぞれ，各自の『経済データ分析Ⅱ』フォルダにダウンロードしてください。
作業後は必ず各自のフォルダにセーブしてください。
- ※USBフラッシュメモリへの保存は破損の可能性が高いので注意しましょう。作業したことが無駄になってしまいます。
これら作業ファイルdata_01.xlsxやrep_01.docxをEcolinkのそれぞれの問いにアップロードすると，評価の対象となります。
- 提出場所を間違ったり，時間内に提出しないと出席にもなりませんので注意してください。
具体的には、以下の流れに従って作業をしてください。出来ない場合は教員に質問しましょう。
Ecolinkの「経済データ分析Ⅱ」のWebクラスに「テスト/アンケート」コンテンツがあることを確認してください。
各自のユーザーフォルダにフォルダ名“経済データ分析Ⅱ”を作成する。デスクトップに作っても構いません。 ユーザーフォルダのツールバーのファイルをクリックして，新規作成→フォルダを左クリックすると“新しいフォルダ”が作成されます。この“新しいフォルダ”を右クリックすると名前の変更として“経済データ分析Ⅱ”を入力する。
「テスト/アンケート」の該当リンクから, data2_01.xls，rep2_01.docを各自の“経済データ分析Ⅱ”フォルダへダウンロード。
8.3 Ｅｘｃｅｌ＆Ｗｏｒｄの使い方（ここも復習）
『経済分析入門』，『経済データ分析Ⅰ』で学習したことがどの程度身についているかを確認します。まず，data2_01.xlsを開いて下さい。 下記のような表が出てきます。
Figure 8.1: 住宅地価とその決定要因
『経済分析入門』，『経済データ分析Ⅰ』で学習したように，経済分析は経済学に基づいた経済モデルを実際のデータで分析する必要があります。
表1-1は日本の住宅地価と住宅地価を決める決定要因を簡単にまとめたものです。
次回，経済モデルを簡単に示しますが，以下の作業では，Excelによる経済分析をどの程度覚えているか確認するために作業をしてください。
8.4 作業
1．まず，これら５つのデータの時系列グラフ（折れ線）を作図してください。住宅地価，住宅家賃，名目GDP，実質GDPを１つの図に，住宅地価，銀行貸出金利を１つの図にして，第2軸も使ってください。学習したように，見やすいグラフにしてください（５点）。
2．次に，住宅地価を被説明変数として，残りの４つを説明変数として，単回帰分析をExcelで行ってください。（４×２点＝８点）。
3．次に，住宅地価を被説明変数として，残りの説明変数を適当に使って，重回帰分析を行ってください。（10点）。
4．rep2_01.docに作図したグラフを貼り，回帰分析の結果を500字程度でまとめてください。（10点）
5．data2_01.xlsとrep2_01.docのファイルをECOLINKにUPして今日の講義は終了です。お疲れ様でした（UPを忘れないでくださいね）。