1 仮定のおさらい

前回まではここ -> 竜王戦(DQ1)その1

竜王戦をシミュレートする上で以下のとおり、仮定を置く。

勇者力HP型 竪琴メタル 岩山カットチャート

種 守+8 素早さ+0

薬草所持数2

装備 ロト鎧+ロト剣+鉄盾+鱗

勇者LV18 竜王2 HP350

力の種(力+1~+3)は岩山カットチャートでは取得数は1、命の木の実(HP+4~+6)は取得数3。力の種・命の木の実の上昇結果値は変数とし、竜王対戦シミュレートを行う(りゅうおう2のみ)。

仮定の追加

りゅうおう1勝利時のHP・MP状況と幾つかを仮定に追加する。

HP・MP状況 HP 55 ・MP 64

竜王の襲いかかりは、考慮しない。

勇者の回避(1/64)・会心の一撃(1/32)は考慮する

2 基本戦略

2.1 戦略

シミュレートにおける戦略は、「SFC版DQ1RTA 竜王の勝率を考える」のまとめシートに提示された戦略に準ずる。竜王はローテーション行動のため、次のターンまでの攻撃乱数最大値を合算することで、確定生存できる回復ラインを設定できる。くわしい戦略は以下のとおり。

  1. 基本殴り続ける。

  2. 1ターン目 HPが回復ライン(101)以下になったら回復。

2ターン目 HPが回復ライン(64)以下になったら回復。

3ターン目 HPが回復ライン(64)以下になったら回復。

4ターン目 HPが回復ライン(101)以下になったら回復。

  1. 1ターン目及び4ターン目はHPが薬草回復ライン(82)以上であれば薬草で回復。

 薬草 > ベホイミ の優先順で回復する。

  1. 回復手段が無くなった場合、回復ラインを無視して殴る。

また、一般的な (101,64,64,101)の回復ラインを少し下げることで竜王戦の勝率は高くなることもわかっている。(SFC版DQ1RTA 竜王の勝率を考える

3 シミュレート

3.1 力の種

最大HPを130と固定し、力の種の上昇値+1、+2、+3、+5の結果を表および図でまとめる。 シミュレートはそれぞれの場合で1000戦×100セット行った。

竜王戦の勝率は、回復ラインを少し下げることによって勝率が上がるとことがわかっている。回復ラインを下げた結果も並べて比較する。

3.1.1 回復ライン通常時

1.全体勝率、2~7.20ターン中に5回ある「攻撃or火の息」のターン(以下ローテ4ターン目と記述)でn回攻撃が来たときの勝率 は以下のとおりとなる。

力の種+1と+2の違いは、会心の一撃のダメージ値上昇のみのため、結果はほぼ変わらない。図では重なって表示されるため力+1(STR+1)のみを表示する。図中の網掛け領域は勝率の信頼区間を表す。

最大HP130 回復ライン(101,64,64,101)

力の種の上昇値 力の種+1 力の種+2 力の種+3 参考 力の種+5
1. 全体勝率 64.12% 64.37% 74.87% 78.89%
2. 攻撃計0回 99.03% 99.12% 99.74% 99.82%
3. 攻撃計1回 92.99% 92.83% 96.82% 97.92%
4. 攻撃計2回 77.36% 77.22% 86.99% 90.1%
5. 攻撃計3回 53.15% 53.58% 65.3% 70.69%
6. 攻撃計4回 34.51% 34.82% 40.92% 44.84%
7. 攻撃計5回 24.29% 24.45% 21.4% 23.1%

3.1.2 回復ライン変更

回復ラインを、(101,64,64,101) から(97,60,60,97) に変更し、再度シミュレートを行う。

全体勝率は全体的に上がる一方、竜王の行動が激しくない場合でも勇者が死んでしまう場合がある(攻撃計0回時の勝率の低下)。攻撃計0回の勝率は低くなるが、攻撃計0回となる確率は以前に示したように3%程度で、低下の影響はそれほど大きくはない。

例として、力の種+3で攻撃計0回の戦闘は1000×100回の中で4555回だけである。(会心の一撃を出して20ターン経たずに終わる場合も含めるため理論値より多くなる。逆に、攻撃計5回は理論値より少なくなる。)

最大HP130 回復ライン(97,60,60,97)

力の種の上昇値 力の種+1 力の種+2 力の種+3 参考 力の種+5
1. 全体勝率 68.28% 68.7% 78.89% 82.6%
2. 攻撃計0回 92.26% 92.57% 93.96% 94.22%
3. 攻撃計1回 93.26% 93.42% 96.02% 97.11%
4. 攻撃計2回 82.12% 81.94% 90.54% 92.86%
5. 攻撃計3回 58.78% 59.64% 72.25% 77.4%
6. 攻撃計4回 37.5% 38.12% 46.86% 52.13%
7. 攻撃計5回 25.15% 26.28% 25.23% 27.4%

3.2 命の木の実

力の種上昇値を3と固定し、命の木の実の最大HP上昇値 +12、+15、+18の結果を表および図でまとめる。 シミュレートはそれぞれの場合で1000戦×100セット行った。

3.2.1 回復ライン通常時

1.全体勝率、2~7.ローテ4ターン目でn回攻撃が来たときの勝率 は以下のとおりとなる。

力の種の影響ほどではないが、命の木の実の値も勝率上昇につながることがわかる。

力上昇値+3 回復ライン(101,64,64,101)

命の木の実の上昇値 命の木の実+12(MHP127) 命の木の実+15(MHP130) 命の木の実+18(MHP133)
1. 全体勝率 69.79% 74.98% 78.81%
2. 攻撃計0回 98.81% 99.79% 99.88%
3. 攻撃計1回 93.72% 96.85% 98.4%
4. 攻撃計2回 81.47% 86.99% 90.71%
5. 攻撃計3回 58.81% 65.45% 71.83%
6. 攻撃計4回 34.92% 40.8% 44.99%
7. 攻撃計5回 19.4% 23.05% 25.73%

3.2.2 回復ライン変更

回復ラインを、(101,64,64,101) から(97,60,60,97) に変更し、再度シミュレートを行う。

1.全体勝率、2~7.ローテ4ターン目でn回攻撃が来たときの勝率 は以下のとおりとなる。

力上昇値+3 回復ライン(97,60,60,97)

命の木の実の上昇値 命の木の実+12(MHP127) 命の木の実+15(MHP130) 命の木の実+18(MHP133)
1. 全体勝率 75.2% 78.73% 82.26%
2. 攻撃計0回 92.42% 93.88% 93.56%
3. 攻撃計1回 94.97% 96.16% 96.71%
4. 攻撃計2回 87.27% 90.36% 93.25%
5. 攻撃計3回 66.45% 72.46% 77.84%
6. 攻撃計4回 41.59% 45.75% 51.75%
7. 攻撃計5回 22.16% 24.56% 29.92%

4 会心の一撃について

どの場合でもローテ4ターン目で合計5回攻撃を受けると、勝率は25%あたりまで落ちる。

これは1/32で発生する会心の一撃が、 勇者が10回攻撃する間に少なくとも一回発動する確率 1-(31/32)^10=27.2 %とほぼ一致する。 つまり、竜王に連続で攻撃されたら会心の一撃を出す以外に勝つすべがない。

なお、会心を出しても力+1で1%、力+3で0.3%、力+3で0.1%程度の割合で負けが生じていた。

5 まとめと次

5.1 まとめ

どこかのだれかのために、かんたんな、まとめだよ

  • マイラの力の種吟味する効果は、勝率10.5%上がる程度だよ。

  • 命の木の実も、結構勝率に影響があるよ。たったHP6の違いで長期戦の勝率は結構上がるよ。

  • 力の種吟味の時間効果=((上昇勝率 × 敗北のロス時間) - 吟味にかけた時間)分 程度

  • ロス時間を14分と仮定すれば、今回の場合(1.47分 - 吟味にかけた時間)が損益分岐点だよ。(この求め方が正しいとは言っていない)

  • 回復ラインを下げると4%程度勝率が上がるよ。力やHPが低いときは特に効果があるよ。でもデレてる竜王でも負けちゃうことがあるよ。

  • ローテ4ターン目で5回攻撃を受けると、種の上昇値を吟味する程度では効果がない。4回受けても勝つのはかなり厳しい。

  • ローテ4ターン目で4回以上攻撃を受ける確率は18.75%だから、竜王戦ってほんと運だね。

  • 竜王戦前に竜王城の不思議な木の実を回収して、再挑戦に備えましょう(特に、力の種を吟味しないときは)。

5.2

竜王の攻撃の強さは今回のシミュレートで理解できた。 次は、ローテーション行動の他の負けへと繋がる要素を考えたい。

気になるのは、

  • りゅうおう1のシミュレートによるMP消費期待値(&MP上昇の影響)

  • 先行回復による無駄回復量の計量

  • 薬草の回復ラインなど

または安定行動(後岩山、竜王城の不思議な木の実・薬草回収)の効果について。